
末永く栽培を続けるための
楠茶帆の米作り
楠茶帆では、気候変動や種苗法の改正などを踏まえ、変化しつづける環境に適応でき、自分たちで種採りができる品種のお米を選んで米作りをしています。
日本のお米には、古くから受け継がれている昔ながらの品種から最新技術で作られるような品種まで、1000種以上の品種が存在します。数多くの品種の中から、私たちが暮らす地域の気候風土や循環型の農法に相性が良く、長期的に栽培を続けていけると考えられるもの、そして美味しさも兼ね備えた品種を探し、現在はハッピーヒルとイセヒカリの2品種を栽培しています。
日本の豊かな自然環境の中でこそ継続していける循環型の農法のもとで、農薬・化学肥料・除草剤を使わずに育てたお米から種籾を自家採種しています。
良質な種を選び、栽培し、種を採るサイクルは、私たちの主食であるお米を末永く守ること、そして米にまつわる文化や環境を保護していく営みそのものです。楠茶帆の土地で命を繋いできた種から育ったお米についてご紹介します。
今一番育てたい
無数にある品種から選び抜いたお米
POINT
01
品種
もともと楠茶帆ではコシヒカリを栽培していました。コシヒカリは食味が優れているものの、「背の高さ、茎の細さ、稲穂が重い」という特性から台風や豪雨が頻発する環境に適応しきれない可能性を感じ、2021年に栽培する品種の見直しを行いました。現在栽培しているのは以下の2品種です。
POINT
02
農薬・化学肥料・除草剤不使用
自家製の鶏糞と緑肥を主に使用し、農薬や化学肥料を使用せずに栽培しています。
また、手作りのチェーン除草機やお酢を利用した除草法などに取り組み、除草剤も使用せずに栽培しています。
POINT
03
自家製鶏糞や緑肥を活用した土づくり
化学肥料を使わずに米作りをするために大事なことは土づくり。鶏舎で採れた自家製の鶏糞や緑肥を活用しています。
お米の収穫が終わったあとの稲わらが残る田んぼに、鶏糞を撒き耕し、春の田植えまでに鶏糞がもつ発酵促進の力を借りて稲わらを分解します。これによりミネラルの補充や地力の回復が期待できます。その後、レンゲとヘアリーベッチという緑肥の種を撒きます。お米は元肥(稲を植える前に入れておく肥料)が必要で、これらの緑肥が元肥となります。鶏糞によって、緑肥がよく育ち、その緑肥の根が持つ「窒素固定」という特性により、自然が循環しあってお米が健やかに育ちます。
ハッピーヒル

ハッピーヒルは、「わら一本の革命」を著し、自然農法の祖と呼ばれる愛媛県の農哲学者 故・福岡正信さんが長い年月をかけて育成してきた晩成型の多収品種です。「冬春に麦を育てて、夏秋に米を育てる(米麦二毛作)」、そんな日本に古くからある農法を実践する中で、ビルマ(現・ミャンマー)から持ち帰った稲と日本の古い在来米を交配させた種が、福岡さんのお名前にちなんだ、『福(Happy)・岡(Hill)』という品種です。
夏の酷暑と水不足が常態化する状況を踏まえ、「水不足に強い」という特徴に魅力を感じ、ハッピーヒルの栽培に至りました。その強さの理由の一つは、一般的なお米より出穂が遅く9月初旬なので、雨が期待できる時期に穂を充実させられる点です。また、水が抜けやすい田んぼで育まれたことで、水の少ない環境で生き抜く力を持っていると考えられます。さらに、ハッピーヒルは他の品種よりも株が大きく、根が深く張るため、地表が乾いても土の奥深くの水分を吸収できる特性も強みです。
この品種はビルマの遺伝的特徴から、収穫が10月下旬と非常に遅く、涼しい時期に登熟期を迎えることで高温障害に強く、ゆっくりと稲の充実を待つことができます。加えて、大株に育つため分けつ力が高く、茎も太く、倒伏に強いため多収穫が見込めます。高い分けつ力で田面を早く覆うことは、収量の最大化だけでなく、無農薬栽培における雑草の発芽抑制にも繋がります。
こうして育ったハッピーヒルは、粘りすぎず、甘すぎず、あっさりとした、どこか懐かしさを感じられるお米の味わいをお楽しみいただけます。
※2025年度のお米の販売は終了しております。
2026年度の新米をお待ちください。
イセヒカリ

イセヒカリは、私たちが米作りを続ける中、縁あって出会った品種です。
今から30年以上前、平成元年に三重県伊勢神宮の管理する田んぼでコシヒカリが栽培されていた時、大型台風により2株を残しコシヒカリが全滅したことがありました。当時の管理者が残った2株に興味をもって毎年増やし続けていたところ、その奇跡的に残ったお米が全く違う品種に変異していることに気づいたそうです。
その後、山口県の農業試験場に持ち込まれ、最も食味の良い株を特定し、品種として固定化させたものがイセヒカリです。
私たちは、そんな逸話のあるイセヒカリの種籾を山口県内の知り合いの方から分けていただくご縁があり、その種籾を自家採種しながらイセヒカリを育てています。
イセヒカリは、背が低く茎が太いため、極めて高い倒伏耐性を持ち、その昔、大型台風に耐えたという歴史にも納得できる品種です。
私たちが育てるイセヒカリは、高温にも強く、収穫時期も10月上旬と比較的遅いので、コシヒカリと比べ涼しい時期にしっかり登熟させることができます。稲は昼間に太陽の光で光合成を行います。日が沈んで光合成ができなくなると、昼間に光合成で作ったブドウ糖を穂へ送り込み、デンプンとして溜めこみます。しかし、夜の気温が高いと、稲の呼吸にブドウ糖が使われてしまうため、昼夜の寒暖差がでる涼しい時期にしっかり登熟できることは、美味しいお米づくりに繋がります。
そして、イセヒカリは硬質米ゆえ、貯蔵性に優れており、品質の劣化が少ないともいわれています。硬質米でありながら、コシヒカリから引き継いだ優れた食味を兼ね備えています。
伊勢神宮で生まれたことから「神の米」とも呼ばれるイセヒカリ。伊勢から山口の地に根付き、種そのものが魅力的なストーリーを持つ楠茶帆産のイセヒカリをぜひ食べてみてほしいです。もっちりとした食感と、噛むほどに増す甘みをお楽しみいただけます。
※2025年度のお米の販売は終了しております。
2026年度の新米をお待ちください。
〒757-0212
山口県宇部市今富25-1
TEL : 0836-67-1700
※日中は、外作業に出ている事が多いです。そのため、お問い合わせはできる限りメールでお願いしております。
見学希望の方は、事前連絡を頂いた方のみ対応いたしますので、お問い合わせフォームよりご連絡くださいませ。



