社会問題解決にアプリを利用

 こんにちは、奥谷です。日本を出てインドネシア・バリ島にしばらくいたのですが、滞在していたのは空港近くの私たちの仲間のアディさんのところです。

 彼は宿を運営しているのですが、7,8年前、フローレス島でカカオのプロジェクトをやっていた時に乗り換えが必要で、いつもここに泊まっていました。ある時、アディさんが「京子は何しにフローレスに行っているの?」と聞いてきたのがきっかけで、私たちの地域で仕事づくりを行っているいろんな活動を紹介し、カカオの村に入って商品を開発しようと考えているんだという話をしたところ、彼がさらに踏み込んできました。「実は大学でITの講師をやっていて、この技術を社会問 題の解決に使いたいんだよ」と。 

 そこから一気に親しくなり、アディさんもSIMALUというアプリを作りました。これはペットボトルをはじめとした資源を有志が提供してくれた回収ステーションに集め、いつ回収車がそこに行くかというのを地図でいつでも地域住民が確認できるというアプリを彼は開発したのです。

ご存じの通り、バリ島は観光地。アディさんのホテルからも毎日たくさんのペットボトルが出ます。彼の地域にあるホテルからどれだけの量が1日に出るでしょうか。さらにバリ島全体を考えたら想像できない量です。そこで、小さいところからそのペットボトルのきれいに洗って分別して集め、資源としてリサイクルできる小さな運動を始めました。彼の教えていた大学生を中心に動き始めたのですが、アプリの開発には取り組んだものの、学生たちの親が「ごみを集めるために大学に行かせたんじゃない」と、このプロジェクトを継続するのには反対の声が多く、この回収所の運営や、回収など、こういう現場に入れる若者が残念ながら現れませんでした。

今後アディさんは敷地内にコミュニティカフェを立ち上げる予定

 これがインドネシアのCWBの活動を始めようという出会いです。このアプリで社会問題解決につなげるというアディさんの想いはインドネシアだけでなく、CWB全体へと広げていきたいと思っています。