楠に向かってリモートワーク

 はじめまして、NPO法人学生耕作隊理事の奥谷です。現在大阪に住んでいて、楠クリーン村の日々の農ある暮らしには直接関わっていないのですが、トラストのメンバーでもあり、メンバーとメールやWEB会議を通じてやり取りをしています。リモートワークというと、田舎にいながら消費者が多い都会に向かって物やサービスを売ったり、コロナ禍においては都市のど真ん中にある会社に通勤せずに自宅で仕事をするといった働き方が多いと思いますが、私の場合は都市部にいながら田舎とつながる挑戦です。

 実は昨年4月までカンボジアから帰国して、2021年は自宅からカンボジアの状況を把握して現場にいる若いスタッフたちが円滑に進むように、会計などの支援をしてきました。東京からも強力なアドバイザーがいて、「私がいないと現場が動かない」から「私がいなくてもみんながそれぞれ頑張る」といういい経験をして、現場に入って指示して引っ張るよりも若い人がぶつかりながらも考えて活躍する場をもっと作るべきだと気づきました。

 楠クリーン村も中学生、高校生、大学生のインターン、そして20~30代前半と赤ちゃん、日本ではかなり若い人々が中心で動いています。そしてご近所のシニアさんたちがいろんな知恵を教えてくれます。また、スペイン人のブルーノさん、コロナ以前はカンボジアやミャンマーなどアジア6か国の若者たちが楠の取り組みを学びにたくさん来ており、この国々がつながる週1回会議も開かれており、田舎にありながら英語が飛び交う場所です。

 そんな中で面白がって集まってきている若者たちは、何か問題意識を持っています。学校のルールには合わない、就活のやり方が解せないなど、疑問をもって違う道を選ぼうとしている若い子たちに出会いました。話してみるととてもしっかりしています。仕事を頼んでみると呑み込みが早い。大人である私たちが感受性豊かな若者がどういう未来を作りたいか、学校の先生とは違うアプローチでお手伝いをすることが大事だなと考えています。そんな日々の若者とのやり取りでどういうことを話しているかを、今後このコラムで紹介しようと思います。