メタバースの世界

 現在、高校生スタッフや大学生インターンを交えた会議を週1回行っているのですが、ここ楠クリーン村は単に目の前の農作業に従事するだけでなく、ロハス工学など新しいことへチャレンジしたり、田舎から世界へとつながったりと面白いことが起きる場でありたいと思って、いろんなことを話します。その中で私自身も未知の分野を勉強していかねばならず、先週末はメタバースを体験しました。

 メタバースという言葉は新聞やテレビなどでも紹介され始めていますが、この分野にいろんな企業が現在注目しています。まず登録をして好きなアバターを選び、飛び込んでみたわけですが、全く操作に慣れていない私は、行きたいワールドはあるもののどうやってそこに行けばいいのかわからず、右往左往しているだけで何もできません。すると別のアバターが近寄ってきたので怖くなって逃げました(笑)。そんな体験を会議で話したところ、大学生のインターン生が「私、VRカフェに行って装置をつけて体験しました。好きなキャラクターと目があったらこっちを向いて手を振ってくれました」と発言。お、私が教えようなんて考えていたことが間違い。ゲームなどに慣れ親しんでいる若い世代のほうがよほど早い、これは彼女らから学んだほうが早いと思い知らされました。

 年末に高校3年生の姪に会った時もアニメが大好きな彼女はツイッターで会ったことがない人とやり取りしているのを聞いて、「変なおじさんが女子高生に成りすまして近寄ろうとしているんじゃない?気を付けなさいよ」と口酸っぱく注意を喚起しましたが、「一人のお友達はな、大阪の名門校に通って頭がいい子でな、勉強がわからん時に教えてもらったんよ」と。趣味が共通で仲良くなるとそんなこともあるのかと驚かされたのですが、考えてみれば私も大学時代にそんな経験をしていました。1995年ごろ、まだインターネットもほとんど普及していない時代に私はホームページを大学ドメインで開設していました。すると、琉球大学の理系の男の子からメールをもらいました。それがきっかけでメール文通が始まり、社会人になって沖縄で仕事が会った時に彼と会いました。会社の先輩は「今の子はインターネットで彼氏を見つける」と勘違いされましたが、今でも年賀状をやり取りするお友達で、高校の教師になった彼に同僚を紹介してもらい、また面倒見のいい先生に観光案内をしてもらったり、その家族がカンボジアに遊びに来てくれたりとずっとつながっています。

 もちろんネットで簡単に知り合ったことで痛ましい犯罪などもある一方で、怖がらずに面白がって飛び込んでいくことも時には大事だなと思っています。