バイアスのない若い感性

 こんにちは、奥谷です。3月29日(火)にSDGsを考える10代の若者向けイベント「おうちにいながら世界一周」のカンボジア編で進行・通訳を務めさせていただきました。普段は大学生、大人向けの講演が多い中で、小学生から高校生という若い人たちを対象にした講座というのは初めてで、地域での取り組みやカシューナッツのことなど、参加者の皆さんの心にどれくらい響くかなと思ったのですが、そんな心配は杞憂でした。

 最初にカンボジアのどこで活動しているのかという大枠を紹介したうえで、文化を守ることも含めてコンポントムの街中で活動しているプーンアジの内容を永山涼さんから、そして農を通じて実践的な教育・ビジネスの場を若者に提供しているチム・チョーデン君からSCY(サンボーコミュニティーユース)の取り組みを紹介してもらいました。

 活動紹介後に参加者が3つのグループに分かれて、それぞれのルームのディスカッションに参加させてもらったのですが、最年少の9歳の男の子は、SCYでカシューナッツの畑をやりつつ牛を飼い、その糞を使ってコンポストづくりやバイオガスで調理をして、またその土で自給自足のための野菜作りの土に活かすという循環型の取り組みについて非常に興味を持ち、「カンボジアは進んでいる!日本は無駄にいろんなものを捨ててばかりいる。もっと見習わないといけない!」と発言していました。その想いはとても熱く、ピュアなものでした。

 年配であるほど、カンボジアに対して発展途上国で日本に比べて何もないところ、教育水準が低いというイメージで見ているように思うのですが、そのようなバイアス(偏見)がない若者たちはシンプルに現状を見て見習いたいと発言しているんだなぁと感心しました。私も上も下もないと思いながら現地の若者たちと付き合っているつもりですが、その男の子のまっすぐな目を見たときに、私はカンボジアをどう見ていたのだろう…と考えさせられました。たまにこういう若い子たちと意見交換をしたり、彼らの考えを聞くことは大切な機会です。

国を越えて、いいものをお互いに交換する、まさにCWBグループが目指すところです。グループ内でもインドネシアのITが得意な若者たちがリードしてカンボジアと日本の高校生に英語でプログラミングを教えるなど、国境を越えて学びたい人同士が切磋琢磨している姿を見ると励まされます。こういうところから時代が変わっていくんだなぁと実感しています。