明治学院大学「グローバルシティズンシップ」の授業講師を務めました

こんにちは。高田です。
昨年に引き続き、母校・明治学院大学で授業講師を務めました。
今回は「生い立ち」編。
どんな経緯で今の進路を選ぶに至ったのか、について焦点を充ててお話させて頂きました!

学生さんたちから提出されたリアクションペーパーはご紹介できませんが、受け取ったへの返答を紹介します。

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提出してもらった課題を、楽しく読ませて頂きました。いくつか私が思ったことをフィードバックします。

まず「生きることは、面倒臭いことだと思いすぎている」というのは現代に生きる人たちの特徴と言えるかもしれません。
生きることは本来、大変で時間がかかることです。
しかし、一旦すべてを効率化し、便利にしてしまったことで本来の「当たり前(生活を維持するのは時間がかかることであるという事実)」が「非常に面倒なこと」になっていることが、ストレスや変化を受け入れられないことの一因になっていそうです。

便利が当たり前になると、便利な生活を前提として予定を組んだり、仕事や遊びを詰め込んだりするので、楠クリーン村の生活スタイルを知ったとしても、自分自身の生活を変えるということは非常に困難ですよね。本来、生きることはとても大変なことです。
それが当たり前で、今はとても便利にスピーディに片付くことが多いという事実を、一度理解するところから始めてみるのがよいかもしれません。
その便利さやスピーディさを「当たり前」に求めるようになり、それを維持管理するために、より環境負荷が増しています。
他にも失っているものがあるような気がしてなりません。

例えば、私が小学生の頃インターネットは出始めで、電話を使っているとつかえなかったり、送ったメールがいつまでも相手に届かなかったり、パソコンそのものがしょっちゅう固まったり。「そんなもの」だと思っていました。ところが20年後、高速インターネットは当たり前、パソコンが固まるなんてイライラ、即時に反応が返ってこないとおかしい…。
この環境の変化により、効率的でスピーディな動作を維持管理するための技術が発達したのは素晴らしいことです。
私自身もその恩恵を受けています。

一方、そのために様々な資源が使われていることは無視できませんし、人々の「こうでなくては困る」がどんどん増えているように感じます。

働き方、暮らし方、食べ物、買い物の仕方…色々な要素がありますが、ここらで一旦、便利と効率に向けて邁進していく様々な事柄に対して「もうこのくらい良いんじゃない?」と人々(私や、あなた自身)が判断する必要性を感じています。
それは授業で話にあがっていた「搾取」から遠ざかることにも、確実に貢献します。

私は、仕組みと環境を変える必要があると思って、楠クリーン村にきました。
時間がなくて説明しきれませんでしたが、学生の頃、ワークライフバランスでは解決しないと思いました。
今の便利な社会を前提としたライフスタイルの中で、根本的な解決を目指すのは難しいと思ったのです。

例えば、節電しようと思っても、エアコンの設置を前提とした風通しの悪い建築物の中で、エアコンを切るのは死に直結することもあります。なので、短絡的に考えるのではなく、エアコンがなくても暮らせる住まいの設計って何だろう、と家を建てる方角や窓の位置や個数はどうすればよいだろう?と、いくつかのステップを踏んだ上で、エアコンがなくても済む暮らしが実現します。
そんな風に、社会にある課題の中には「そもそも…」を見つめなおさねばならないことが多々あると考えて、今の仕事と生活を選びました。
大きく変化しようと思った時に、環境や前提を変えるのは、とても大事なことです。

リアクションペーパーの中でも何人か書いている人が居ましたが「少々行動したところで変わるのだろうか」という点についても返答しておきます。
正直なところ、焼石に水という可能性は高いです。
ですが、「意味がない可能性が高いからやらない」ではなく「世界は変わらなかったけど、私はやれるだけやったよ」と、未来を生きる人たち(例えば子どもが欲しいと思っている人にとっては、未来の自分の子ども)に向けて胸を張って言えるような選択を日々重ねて欲しいなと思います。
より過酷な環境を生きることになるのは、私たちよりもさらにその先の世代の人たちです。そんな風に胸を張って言える人が一人でも増えると、きっと今より日本や世界は豊かな社会になっているだろうな、と思うのです。
周りを無理に変える必要はありません。自分が変われば、まずはそれだけで十分な一歩です。

「やりたいからって、やれるわけじゃない。でもやれない「今」がずっと続くわけじゃない」という言葉について書いてくれた人がたくさん居ました。
今でも、やれると思って挑んだけれど、実際には難しかったということは、山程あります。
そういう時は「いい勉強になった」と次に活かせばよいです。そんなことの繰り返しです。
繰り返しているうちに、気付いたら目の前に突破口が現れていた…なんてことも。(まさに今の私がそんな感じ。)
感覚としては、お!ラッキー!みたいな感じなのですが、実際には継続してきたから辿り着けた扉なのだと思います。

話は変わりますが、今回の話を自分事として捉えた人、かつアマゾンプライムに登録している人は「100億人―私達は何を食べるのか?」を見てみて下さい。
自分たちの生きている世界のことがよくわかる、面白いドキュメンタリーであると同時に、私個人としては「よし、今の方向性で引き続き頑張ろう」と思えるものでした。
質問やインターン希望があれば、いつでも連絡して下さい。
 

以上です!