だーここのインターンシップ体験記

山口大学医学部2年生の、だーここさんが、9日間のインターンシップ体験の感想を送ってくれました!

春休みの13日間、私は「楠クリーン村」でインターンをさせていただいた。

 インターンをさせていただくきっかけとなったのは、楠クリーン村代表の高田さんから「インターンに来てみない?」とお声がけしていただいたことであった。そのときの私は、深く考えずに「ぜひお願いします!」と答えた。こうして、楠クリーン村での13日間の私のインターン生活が始まったわけだが、インターンが始まってから1、2日目の頃の私は、高田さんからのインターンのお誘いに対して、深く考えずに「ぜひお願いします!」と答えた私を少し恨んだ。笑 しかしながら、楠クリーン村での13日間は私自身の今後の人生にとって非常に大切な経験となったため、今の私は、あのときの私とお声がけいただいた高田さんに非常に感謝している。

 インターン生活最初の1、2日目は、エアコンが無いため夜になると非常に寒く、慣れない環境であったこともあり、家に帰りたくてしょうがなかった。笑 しかし、インターン生活開始から1週間も経つと不思議なもので、楠クリーン村での生活が“日常”になっている自分がいた。そして、インターン生活にも慣れてきた頃から、自分の生活や人生について考える余裕も出てきた。そこでここからは、インターン生活中、そしてインターン生活終了後に考えた三つのことについて記していく。

 まず一つ目は、“自給自足の生活”についてである。楠クリーン村は“自給自足の生活”を行っている場である。“自給自足の生活”は、ただ口で言ったり見たりする分には簡単であるが、実際に自給自足の環境下で生活をしてみると、不便なことも多く大変であった。お風呂は薪をくべないと入れないし、いつも使っている電子レンジも使えない。しかしながら、“自給自足の生活”を実際に送ったことで、自分達で育てたお米や野菜などを食べることのできる幸せを改めて実感することが出来たし、自分たちが火おこしをして暖めたお湯をお風呂にためて浸かることの出来る幸せも感じた。私は、インターン生活を送ったことで、これまでは“当たり前”すぎて見えていなかった日常の中にある“幸せ”に気付くことが出来た。加えて、自給自足”は、文字だけを見ると“自分達だけで行う“というイメージがあるが、実際には”様々な方の協力があるからこそ成り立っている“ということを実感することも出来た。

 例えば、“養鶏”に関しても、自給自足のために養鶏を行っていると文字だけで見ると、“自分達だけ”でゼロからやっていると勝手に考えてしまう。しかしながら、実際には自給自足のために養鶏を行っていると言ってもゼロから自分達だけで行っているわけではなく、そこには野菜くずを譲ってくれる人、魚のアラを譲ってくれるお魚屋さん、おからを譲ってくれるお豆腐屋さんや飼料用米を一緒に作ってくれる近隣の方など、“地域の方々の協力”が存在する。そうした、“地域の方々の協力”と”お返し”の循環があるからこそ、自給自足の生活を行うことができると言えるのではないかと私は考えた。

 次に二つ目は、便利すぎる環境下においては、人間は最悪何も考えなくても生きていけることに対する“面白味のなさ”である。インターン生活をする前は、私が普段生活している環境が自分の中で“ふつう”であったため、特別便利な環境だと感じることはあまりなかった。しかしながら、インターン生活を送った後に私の普段の生活に戻ると、“便利さの塊”であると感じた。お湯は蛇口をひねれば出てくるし、暖房をつければ寒さを感じることもない。冷めたご飯でさえ、電子レンジで数分チンすれば温かいご飯に変身する。便利なことは一見良いことのように思えるが、不便な生活をしていたインターン生活のときよりも頭を使う機会が圧倒的に少なくなったように感じる。なぜならば、不便なことはほとんど全て機械が解決してくれるからである。このことから、便利さと不便さの両方を実感することができた今の私は、不便さもある生活の方が面白いのではないかと考えた。不便さがあった方が、自分で考えて行動することが出来る。こうすることで、自分自身の生活の中に、“自分らしさ”を組み込むことが出来る。このことがより自分の生活や人生を面白くさせてくれるのではないかと私は考える。

 三つ目は、「素人だから」はただの言い訳に過ぎないということである。楠クリーン村では、野菜やお米を作るだけでなく、道づくりなども自分たちの手で行っている。特に道づくりに関しては、素人にはできないし素人が簡単に触れてはいけないものだと考えていた。しかしながら、楠クリーン村では、指導してくださる外部の方ももちろんいるが、スタッフの方々が中心となって道づくりを行っていた。このことから、「素人だから」できないというのはただの言い訳で、たとえ失敗したりよく分からないものが出来たとしても、「とりあえず、どうにかこうにかしてやってみよう」という心持ちが非常に大切なのだと感じた。加えて、誰でも最初は素人であるのだから、素人なりにやってみれば良いのだとも考えた。

 以上三つが、私がインターン生活中、そしてインターン生活終了後に考えたことである。楠クリーン村にはインターンをさせていただく前にも来ていたが、インターンをさせていただいたことで、私の心の中にある楠クリーン村の存在は大きくなった。13日間のインターン生活であったが、その13日間の間に様々な出来事があり、非常に濃く充実した13日間になったと感じる。インターン生活を経た今、楠クリーン村は私にとって第二の故郷のような存在となった。これは、インターン中にお世話になったスタッフの方々や地域の方々のおかげである。

 最後になりますが、13日間のインターン生活中にお世話になったスタッフの方々や地域の皆さんに、心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました!そして、今後もよろしくお願いいたします!!